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私はだれでしょう

こまつ座の『私はだれでしょう』。

戦争で生き別れた人を探すラジオ放送「尋ね人」の制作室を舞台に、記憶を失ったサイパン帰りの軍人やら、日系人の米軍将校やら、組合運動に燃える元特攻隊員やらが入り乱れる音楽劇。

米軍占領下では、アメリカに都合の悪いことはいっさい放送できない。たとえば、原爆の「げ」の字でも言おうものなら、占領を妨害したとして逮捕される。広島や長崎からの投書を放送したい制作室の面々は、なんとか知恵を絞って放送に乗せようとするわけだけど、このへんの権力によるメディアへの圧力は、NHKへの命令放送やなんかが取り沙汰されたりして「地獄に逆戻り」(放送用語調査主任の弁)している感がある現状を思うと、ものすごくタイムリーな題材だ。

でも、この芝居でそれ以上にがつんときたのは、「負け続けて、押しつぶされて、石になって、積み重なる」というフレーズ。正確には覚えてないけど、だいたいこんな感じだった。これを聞いて、そっか、負けてもいいんだ、と思った。なんというか、目からウロコが落ちたような気がした。

このフレーズは劇中歌のなかに出てくる。歌と踊りって、なんだかんだいって無条件で楽しいから、音楽劇はわりと好きだけど、この歌は楽しいだけではない音楽劇の底力のようなものを感じさせた。舞台からの圧力でイスに押し付けられるような感覚。あれは歌だからこその迫力だったと思う。

6時半開演で、終わったのは10時近く。相当長い芝居だったはずなのに、全然長く感じなかった。おもしろかった。

しかし、よくよく記憶をたどってみると、前回のこまつ座公演でもらったチラシには、今度の新作はケストナーが題材って書いてなかったっけ? まあ、井上ひさしの新作だから予定どおりにはいかない気はしてたし、おもしろかったから全然かまわないんだけど、でもやっぱりケストナーがらみの井上芝居もいつか見てみたい。
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by csiumd | 2007-02-24 10:25 | 芝居

ネコのマッサージのしかた

古本屋でふと目にとまった『ネコのマッサージのしかた』という絵本。

「あなたのだいじなネコをきもちよくする よくきくマッサージのしかた」が、(これ、ネコなのか……?)という感じのくたびれたネコと、ちょっとあやしい人間の手の挿絵で図解(?)されているのだが…………いやもうおもしろかった。笑わせていただきました。

しかし、これまでネコを飼った経験がないせいか、それとも単に鈍いだけなのかは知らないが、かなり読み進めるまで、この本がほんとうにマッサージ指南の書なのか否かの判断がつかなかった。さすがに、「くびを うえに もちあげ、コキッという おとがするまで せなかのほうに おりまげます。」あたりで気づいたけどね……。

うっかりペット本のコーナーに並べたりしたら、えらいことになりそうな本である。
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by csiumd | 2007-02-01 16:21 |