ずっとあなたを愛してる

フィリップ・クローデルが監督・脚本を手がけた『ずっとあなたを愛してる』。クローデルの小説に目がない者としては、見逃せない映画。期待以上に、すごくよかった。

15年の刑期を終えて出所したジュリエットが、妹家族の家に身をよせて、新しい人生を探りながら過去と向きあう……というのが、おおまかなストーリー。話が進んでいくにつれ、ジュリエットが少しずつ自分を開き、まわりの人たちを受け入れていく。それと同時に、ジュリエットが過去に犯した「罪」も少しずつ明らかになっていく。

このジュリエットの「罪」の是非は、見る人によって判断がわかれるのではないかと思う。過去のジュリエットが選んだ行動は、正しいとは言えないかもしれないが、少なくともその選択を責めることはできないと私は思った。

かなり重いテーマだが、静かに淡々と進んでいくせいか、それほど重い気がしない。しかも、余計な説明やセリフが極力省かれているので、登場人物たちの心の動きは、見る者の想像に委ねられている。押し付けがましくなくて、すごく心地いい。とくに、さっぱりとしていて、でも深い余韻を残す終わり方はすばらしかった。

クローデルの小説を愛好する者としては、このテーマで小説を1本書いてほしかったという気持ちもないではないが、最後のジュリエットの表情を見たら、やっぱり映画でよかったのかなと思った。生身の人間である役者の力を感じた。

こういうふうに、静かに胸にしみこんでくるような映画を、もっとたくさん見たいと思う。
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by csiumd | 2010-01-16 12:59 | 映画
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